★ハンドピースについて

●慣れ親しんだ道具がベスト

何はともあれ、ハンドピースについて語らねばなりませんね。

様々なメーカーから様々な種類のハンドピースが発売されております。
初めて購入される方は、選択に迷うことと思います。また、すでにお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

大まかに分類すると、トリガー式、プッシュボタン式があり、ノズル口径は0.2〜0.5ミリといった種類があります。
プッシュボタン式にはダブルアクションとシングルアクションがあるようですが、絵を描くのならダブルアクションを選んだほうがよいと思います。

ノズル口径はプッシュボタン式なら0.2ミリが使いやすい。ケータイからA3くらいのサイズまでなら充分カバーできます。

トリガー式のは、今のところ0.3ミリの口径が最小ですが、まあ、それでも充分幅広く対応できます。

わたしがお付き合いしていただいているエアブラシアーティストの方々も、愛用のハンドピースは実に様々です。
使いやすさは人それぞれに違うということなんでしょうね。
というより、一番初めに手に入れたものが、その人の愛機となる可能性が高いですねー。
ですので、どのメーカーのどれがよいのかを検証するよりも、ここではわたしの使用しているハンドピースを紹介します。
多分に独断と偏見もあるかと思いますが、ご参考にしてください。


オリンポスHP-102B  口径0.3ミリ。

わたしが初めて手に入れたハンドピースです。1985年頃購入。
いまだに現役で、使用頻度も一番多い。完全に手になじんでいて、普段はほとんどこれ1本で描いております。

わたしの場合、0.2ミリのハンドピースも使いますが、微細な部分ほどこのハンドピースに手がのびます。

最近、もう一本新品を手に入れたんですが、長年使い込んだ愛器と比べるとまったく使用感が違い、ガッカリしました。
調べてみたら部品の形状が古いものと若干違う。
試しにその部品を古いものと入れ替えてみたらオーケーでした。
どうなっているのだオリンポス。

いくら高くて良い道具でも、道具である以上、使う人間との相性もあるし、製品のバラツキ、いわゆる当たり外れもあります。
いわば、よい道具とは、使い込んで自分の手になじんだ道具といえるのかもしれません。

 わたしの愛器。長年の間にはかなりムチャな使い方もしました。


岩田塗装機工業() (現 アネストイワタ) HP-B 口径0.2ミリ、 HP-C 口径0.3ミリ。

エアブラシを始めたばかりのころ、携帯電話をペイントしようとして購入したHP-B。一般的に細かい作業に向くといわれてます。
ケイタイのような小さい絵は0.2ミリでないと描けないって思い込んでいた。実際はそんなこともないんですが。
当時のわたしにはこのダブルアクション・プッシュ型は使いこなすのが難しく、「プッシュ式が使えない人はプロとは言えない」的な風潮に惑わされ買った、
同じイワタのHP-C(0.3mm)同様、長く引き出しにしまったままでした。
最近はプッシュ式にもかなり慣れ、よく使用します。慣れればとても安定した使い心地で、シンプルで良い機種だと思います。
一流塗装機器メーカーの製品だけあり、構造的にもしっかりしていて高級感があります。
ちなみに、このシリーズの後継機、HP-BP、HP-CPを使用しているアーティストが比較的多いということも付け加えておきます。
新しいシリーズにはプリセットハンドル(ニードルアジャスター)が付いていて便利です。

 アネストイワタ梶@HP-BP 口径0.2ミリ


オリンポスHP-83c 口径0.3ミリ。

作品も頻繁に描くようになると、どうしてももう一本が欲しくなります。
濃い色から白色などへ色を換える時、ハンドピースの洗浄がとても煩わしくなるからです。
そこでトリガー式の2本目ということで購入しました。前出のHP-102Bにくらべ、値段も安い。しかし、同じ口径で、形は似ていますが使用感はかなり違います。
どうも一部のパーツに若干問題があるようです。わたしは多少の改造を加えて使用しております。
細部を描き込む時はニードルアジャスターをl利用します。


オリンポス アリーズ SGA-6104-CG(口径0.4mm、ニードル錘角)

大物用。0.4ミリのトリガー式の塗料容器がボトルタイプってことで購入。別売りボトルを2個追加してます。色を換える時ラクです。
価格も手ごろ。エアブラシ用の小さいコンプレッサーでも使用可能。


オリンポスPB-303 口径0.3ミリ。

大容量のボトル式が、塗装面積の広い大物によいかと思い購入。
しかしこれ、高いんです。
安いオリンポスのアリーズシリーズに0.3ミリがないので仕方なく購入。
ボトルが重くて細かい仕事はつらい。金額のわりに愛着は薄いです。


ホルベイン トリコンM-2 0.2mm

たまたま地元の画材屋さんにあったこのハンドピースを、なぜ買ったのか記憶にありません。有名なイラストレーターが使ってたからかなぁ・・・。使い勝手はイワタのHP-Bとほぼ同じです。


岩田塗装機工業() (現 アネストイワタ) RG-2-2 丸吹きガン 口径0.6

職業柄、たまたま持っていた小型ガン。小物のクリアー塗装や大型作品のバック塗りなどに使用してます。


岩田塗装機工業() (現 アネストイワタ) W-71 小型スプレーガン

同じく職業柄、たまたま持っていたガン。酷使しております。


●ブッシュ式かトリガー式か。

よく耳にする話題ですが、ぶっちゃけ、慣れてしまえばどちらも大差はないと思います。
ただ、プッシュ式もトリガー式も、メーカー、製品によって微妙なクセがあり、つまり、乱暴な言い方をすれば一本一本違いがある、
つまり、そのクセに慣れてしまえばよいわけです。

わたし個人的にはトリガーの方が長時間のブラシは疲れにくい。
操作もトリガーを引くだけなので、入門用としては最適と言えるかもしれません。わたしもトリガーから入りました。
広い面を塗る時など、0.3があったほうが快適ですので一本あると便利です。

プッシュ式は構造が簡単で、製品にバラツキが少ない、ハズレが少ない、というのが長所ですか。
ただし操作のコツをつかむのに多少訓練が必要です。しかし、これも慣れれば実に多彩な表現をこなしてくれます。

そういった理由で、プッシュ式ではアネストイワタ梶@HP-BP 口径0.2ミリをおすすめしております。
また、細かい作業は若干にがてですが、トリガー式ではオリンポスHP-83c またはアネストイワタのHP-TR1 口径0.3ミリが値段も手ごろでよいかと思います。


●ハンドピースの持ち方

プッシュボタン式。いろいろなフォームがあります。

←人差し指  親指でプッシュ


その人なりのやりやすい持ち方を研究するのがいいと思いますが、ここではわたしの持ち方をご紹介します。参考にして下さい。

 ←@人差し指をかぎ状に曲げ、第一間接と第二間接の間あたりでプッシュボタンを押さえる。

←A親指の腹と人差し指の付け根でハンドピースをはさみ、軽く握ってしまう。

  

←B画面に向かいます。

 ←C人差し指を握りこむとエアーが出ます。

←Dさらに徐々に握り込むと塗料が出ます。

わたしはトリガー式に慣れていたせいか、このように握り込むスタイルに落ち着きました。

ムービー・プッシュ式の持ち方→


トリガー式。わたしは中指で引きます。

@スタンバイの状態

A少し引いてエアーのみ出す

B引くというか、これも握り込む感じです

ムービー・トリガー式の持ち方→

★告白コーナー・ドーンが語る「あのころの私」その3→