★日々の練習

●ハンドピースを自由に使いこなすためのトレーニング

意識せずとも道具を体の一部のように扱えるようになると、やれることの幅が広がります。
身近な例ですと、箸を使ってモノをつまんだり、自転車に乗ったり、泳げるようになったり。あと、車の運転なんかもそうですね。
ハンドピースもまったく同様で、練習をすれば自由に扱えるようになります。
ここではわたしの練習方法をご紹介します。

○キャンパスはA4サイズのアルミ複合板です。menu基礎編★あると便利なツール 参照 代用品でもかまいません。
○希釈した塗料を用意します。ここではアドミラを使用。menu技術編★塗料の調整を参照。
○ハンドピースはよく洗浄しておきます。menu基礎編★ハンドピースの手入れ 参照。


●ステップ@

 まず、出来るだけ細かいブラシワークの練習です。球を描きましょう。直径5センチくらいから始めて、直径5ミリくらいまで描けるようがんばってみましょう。
塗料の希釈は(A)程度の極薄です。



ムービー・球

●ポイント・・・塗料を換える時は、溶剤でハンドピースをよく洗浄します。特に(A)を使用する時は念入りに。
細部を描くときはニードルキャップを外します。こうするとギリギリまで画面に近づくことができるし、ニードルの先にたまった塗料が画面を汚すのをふせぐことができます。


ニードルの先をギリギリ画面に近づけ、出来るだけ少なくニードルを引かないと5ミリの球は描けません。
滑らかに塗料が出ないのは、希釈が濃いためです。さらにシンナーで薄めます。塗料の薄め加減を体得して下さい。
また、ノズル、ニードルが汚れている場合もうまく吹けません。よく洗浄します。

 

このように左手を添えると安定します。わたしはヒザに左手のヒジを乗せ、さらに安定をキープしてます。
細かい部分は左手の一部を画面に接触させて、より安定させます。
細かい作業をしていると、このようにニードルの先に塗料が付着してきます。これが飛び出て画面を汚す前に、こまめにお掃除します。

  


 線を描くときはハンドピースを常に動かしながらニードルをかすかに引いたり戻したりします。線の始まりと終わりが美しくなるように。
同じところを数回往復させ線の濃さを微調整します。動きを止めたところで塗料がでると「ダマ」になります。

 

ムービー・線

「まつ毛」を描きましょう。5ミリくらいの長さが描けるよう努力します。集中力が必要です。まつ毛の先に向かって「抜く」感じで。

 

●ポイント・・・ どうしてもニードルを引きすぎる方はニードルアジャスターを使います。ほんの少量塗料が出る位置までアジャスターを絞ります。
塗料の吐出量が多い傾向にある、トリガー式のハンドピースに有効です。


グラデーション グラデーションの練習です。きれいなボカシを作りましょう。より小さい部分のボカシにトライしましょう。

 

ムービー・グラデ


 「目」はいろいろなテクニックの要素がつまったとても良い練習です。

 

ムービー・目


髪の毛 髪の毛の練習です。わりと勢いよく、極細線を何本も同方向に引きます。頂点のハイライト(てかった部分)を意識します。
多少、希釈が濃い目のほうが描きやすい。(B)、(C)くらい。

 

ムービー・髪の毛


エッジ 境界線を立てる練習です。片側をフリーハンドで出来るだけシャープに。片側はボカシます。
エッジをシャープにするにはハンドピースをギリギリ近づけます。ポカす時は若干画面から離します。
吹き付ける方向を考えて。滑らかなグラデーションになるように練習します。



ムービー・エッジ 


文字 サインや文字を描くのもよい練習になります。躊躇なく手を動かす練習。

 

ムービー・サイン


30分くらい続けるとこの状態です。上がわたし。下は初心者の方。初心者の方はガッチリ濃くしすぎる傾向にあります。
濃くしようにも流れてしまって出来ないくらい限界まで塗料を希釈し、なるべく薄く繊細に描く練習をします。
これが出来ないと次のステップで必ず壁にぶち当たります。
細かいものを描く練習を積むと、少し大きいものはずっとラクに描くことが出来るようになります。
がんばりましょう。

 

ムービーおまけ・持ち方


●ステップA

では、次はこれを塗りつぶします。塗料は「B」か「C」に替えると早い。menu技術編★塗料の調整を参照

 

これで一日の練習は終了です。ハンドピースを洗浄しましょう。


●ステップB

次の日の練習は、まったく同じことを、こんどはホワイトの塗料で行います。そのために塗りつぶしたわけです。

濃いバックに白で描くのは、またちがった感覚です。ポイントのハイライトなど、どうしても練習する必要があります。希釈率を試しながら練習を積みます。

終わったらこれをまた、ホワイトで塗りつぶし、繰り返します。


●高解像度のスキャンデーター 


●まとめ

どうですか。疲れましたか?
始めたばかりのころは、わたしも晩酌を一時やめたほどです。
日々の練習はどちらかというと地味でつまらないと感じますよね。
これは言ってみればスポーツ選手の素振りやランニング、柔軟体操のようなものですか。
本番前のウオーミングアップみたいなもので、そのうち苦も無くできるようになります。そして必ず結果につながると思います。
少しでもみなさんのスキルアップにつながることを祈ります。

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