★光と影とかたち

●知らなくても描ける、とは思いますが。

このクラブに参加されている皆様は、絵を描くのが好きで、中にはもうすでに何らかの道具で絵を描いている、
あるいはそういった専門の教育を受けておられる方もいらっしゃるでしょうね。
また、まったくそういったことの経験が無いという方もいらっしゃると思います。
かく言うわたしもまったくの独学で描いておるわけでありますが。。。
理論的なことはそういった学校や書籍等で勉強できるし、また詳しく知ることもできるので、そちらにおまかせすることにして、
ここでは簡単にわたしが考えることを述べます。まぁ、一服するつもりで見てくださいね。

●立体的に描く

@紙とエンピツを用意します。で、四角形を描きます。この四角形を立体的に見えるように書き加えてみます。
Aこれに影をつけてみましょう。

@ A

B同じように円柱、円錐、球体を描いてみましょう。 こんな感じですか。

B C

上の@、Cの四角形の描き方を透視図(パース)法といいまして、遠近感を出す基本的な考えです。:建築設計分野などでよく聞く理論です。
AやBは光が当たっている方向と、それによりできる影で立体感を出しています。感覚的にこうすると、より立体に近く見えますね。
要するに、絵を立体に見せる描き方というのは、そういった基本的な理論がある。というわけです。

D 

E

Dは接地している玉と、宙に浮いた玉。影の側に反射した光が入るとリアルになる。Eは凹みと出っ張り。
Dのふたつの玉は、左が奥に、右が手前にあるようにみえます。Eの凹凸は同じ大きさの楕円で描いてあります。影のつけ方で描き分けられる。

写真などを参考に描いていると、どうしても平面的な絵になりがちです。
たとえば人物の目なども、あれは球体が埋まっているというイメージで描くと立体感が出ると思います。

あと、人工物などは、あるていど理論的に描かれていないとリアルに見えません。たとえばメガネとか。
しかし、崩して描いても、それも絵としての「味」である、という言い方もありますので一概にはいえませんが。
意図的に崩して描くなら別ですが、正確に描かれてないと、みっともない絵になったりする可能性もあるので、とりあえず知っておくといいです。

●光と影の関係、物の形のつかみ方、遠近感覚などがリアルに描くためのポイントと言えると思います。

こういう感覚は、デッサンを数多く描くなどの訓練で、より発達するようです。
また、最近はデジカメなどの発達で、レンズを通して見た世界が身近なものになっています。
こういった物の見え方など研究すると、構図など、面白い絵のヒントになったりするかもしれません。


●手軽なデッサンの訓練

原画にマス目をひいて、それをガイドにしてコピーする方法があります。
キャンパスのマス目の比率を大きくすれば、10倍、20倍とかの巨大な拡大も可能です。
多少訓練が必要ですが、覚えておくと便利です。
これは看板屋のわたしが修行時代によくやっていたやり方です。
今でもイベントなどでたまにこの描き方をすることがあります。
プロジェクターなどの機械が無い場合に利用できます。

↓A4サイズの原画に2.5センチ四方のマス目を引きました。もっと荒くても、あるいは細かくてもよい。任意で。

↓キャンパスのマス目は10センチ四方。これで天地110センチにまで拡大されます。
マス目ごとに原画を写していきます。ときたま離れて見てバランスを確認します。
キャンパスのマス目が25センチだと10倍になりますね。もっと巨大にすることもできます。

↓エンピツである程度まで描き込んでみました。直接ブラシで描けば作品になります。
この拡大図をカーボンなどで転写して描いてもよい。