★ポートレートのヒケツ

●似せるためのヒント

ポートレートを描いていて、似てない時ほど悲しい気持ちになることはありません。。
「これがわたしの絵の個性なんだ!アートとはそういうものだ!!」と言い切ってしまえる方はいいんです。
でもそっくりに描きたいし、描かねばならない時もあります。
ここではそういう時のための「ヒント」をご披露しましょう。
ご批判、異論もあるかとは思いますが、似ていればいいんです。とりあえず。


これ、誰に見えますか? そう。かの有名なアメリカの女優さんそっくりです。

この方もどこかで見たことがあります。 有名な南米の革命家によく似ております。 こういうことがヒントになります。

ポートレートを描くときは、写真などのトレースから始めるのが一般的かと思いますが、
トレースをばっちりしているにもかかわらず、描きあがった顔が別人ということは、わりとよくあります。
理由はよくわからないですが、何か決定的な間違いを犯してるのではなかろうか、と考えてしまうわけです。

そこで、上記の写真というかイラストというか、ですが、これだと極端にシンプルであるにもかかわらず、誰なのか一目瞭然でして、
これをヒントに思いついたのが、「濃い部分を先に描いて、似てなかったらやり直す。そのほうがムダが少ない。」ということでした。

たとえば、こういう手順を一番先に持ってくる。

  

この時点で、誰であるかわかれば一安心というわけで、こののち描き進むにつれ沢山の色が乗っても、濃い色で押えたところは動かない
ですので、最後までこの印象を維持できるわけです。

描き始めから、ここまでの出来が、ポートレートの完成度を左右するので、ここへ持ってくるまでは集中してやります。
時には振出しからの描き直しも辞さないです。あとで苦労するよりはマシです。

といっても、主にこの描き方で描くようになり、ほとんど失敗をしなくなりました。しかも・・・早い。必ずしも早く描く必要はないかもしれませんが、早い、です。

この方法で肝心な点は、資料写真の選び方。コントラストのはっきりした、影が多い資料のほうが似せやすい。
もっとも、そういった都合の良い条件ばかりではないですが。。。
それと、先に押えなくてはいけない一番濃い部分の見極めですか。それにより、わたしは始めの色をブラックかブラウンか、はたまた別の色かを決めています。

 

 

   

●この描き方はポートレートに限った方法ではなく、アレンジしてさまざまな作品に活かすことができます。

※ここでの資料について、肖像権、著作権等、権利上の問題を指摘される方はご一報下さい。
すみやかに画像を削除いたします。

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