Q1 ブレスローの7つの健康習慣

<質問内容> I さん

統計とは関係がないのですが、以前ウータンさんが ブレスローの健康習慣と血圧値とで評価する方法を書きこみされていました。あれ以 外で、例えば体脂肪率もしくはBMIで同じようにできるものですか? というのも、今度肥満予防教室をするときの評価として使いたいからです。


<回答>

ブレスローの7つの健康習慣と検査値のクロス判定

 ブレスローの7つの健康習慣とは 1972年米国UCLAのブレスロー博士の研究成果で、以下の習慣を守っている人ほど平均寿命が長いことを明らかにしました。  30年以上も前に発表されたものですから時代とともにその表現方法は変わってきていますが、内容としては現在も十分通用するものです。

1.適正な睡眠時間をとる。
2.喫煙をしない。
3.適正体重を維持する。
4.過度の飲酒をしない。
5.定期的な運動を行う。
6.朝食を毎日食べる。
7.間食をしない。

 研究では、例えば55歳男性で6項目以上遵守している人の平均寿命は25年 伸びるのに対し、3項目以下では13.8年、45歳で6項目遵守者は33年、3項目以下では21年の平均余命しかないことを裏付けました。 これは正しい習慣を身につけるには早ければ早いほど健康で長生き出来ることを意味し、健康管理の世界ではバイブルのように考えられています。

 このブレスローの7つの習慣と健診結果による検査値をクロスさせることにより、より正確で適切な保健指導を行うことが出来るようになります。 ご質問のありました体脂肪率、BMIとの比較も出来ますよ。





 図のように縦軸に生活習慣の点数化を行います。
 上に挙げたブレスローの7つの習慣ではいと答えたら2点、いいえ答えたら1点で点数を合計します。このとき縦軸が図のように4分割されていると3.5点 などの分割点が出るため、得点を2倍しています。(はいを4点、いいえを2点 と同等)重み付けは行っていません。
もし、7つの習慣の中で特に思いがある 項目には大きな点数を配分しても構いませんが、バランスを取って下さい。
(他を小さくするとか、極端に大きな点数を与えない)

図表の解釈は
@〜Cは健全
D、Eは痩せですが栄養バランスに注意
F、G、L、Mを指導対象領域  
N、Oは場合によっては治療域
H〜Kは対策中あるいは遺伝性 を考慮する領域です。

指導内容はF、G、L、MのグループとN、Oのグループは別になります。 また、D、Eは女性なら骨粗鬆症への対応なども考慮した指導内容です。 これらの領域の人数変動が評価の項目です。

 ご質問の中に肥満教室とありましたので、事後評価の事を考えたテクを紹介します。 指導内容には運動も含まれると思いますので、後々の評価の事を考え運動に関する質問を3つ加え合計10項目の質問にします。
 運動の質問は教室開始前と終了後では質問の中身が変わります。
前に尋ねるのは運動に対する意識です。7つの習慣5の定期的な運動をしているを2倍の重み付けを行います。はいは4点、いいえは2点です(倍は8点と4点になります)。次に運動していない理由3項目を用意しそれをマイナス1点 として加えます。運動していない理由3項目は「運動の仕方が分からない」 「運動する時間がない」「する気が起こらない」などがよいでしょう。

 後に尋ねることは運動指導に対する感想で、5の定期的な運動をしているを外し4項目を加えます。「継続して運動したい」「快汗(汗をかく爽快感)が味わえた」「食事が美味しくなった」「ぐっすり寝れるようになった」などです。
 実際の所、短期間では運動の効果は目に見えず現れてこないので、意識改善の効果をみるとよい結果として反映されてきます。


 肥満と言えば本来体脂肪で見るべきですが、これが以外とやっかいです。

体脂肪とBMI
肥満とは体脂肪が正常範囲を超えて増えた場合のことで、筋肉が発達して体重が増えた過体重とは別物です。
 一般に肥満の判定で使われているBMI指数は体重と身長の関係を見ているにすぎませんのでこの区別はつきません。
 健康管理に携わる者は筋肉が多い過体重の人に対して体重を減らせなどと間違った指導をしないように注意をしなければなりません。
 過体重の人に食事を減らしたり、カロリー制限を行うと体重は減りますが、脂肪より先に筋肉が燃えてしまい、体重は減ったけど脂肪だらけとなり、実は 肥満を進行させた事になってしまいます。
 体型や四肢の太さ、前腕の血管の浮き上がり方などから体脂肪を測定してもほとんど当たらず見かけと実際はかなり違っていることが分かっています。 逆に注目しなければいけないのが、BMIでは問題ないのに体脂肪を測ると見つかる隠れ肥満です。本人は肥満との意識が少ないだけに、生活習慣など乱れている人が多いので、早く気づかせ対策を講じて行く必要があります。

隠れ肥満かどうかは体脂肪率とBMIのクロス表を作ると簡単に見分けることが出来ます。




@  :痩せすぎ     
A〜C:痩せ        
D、F、L:正常 
E、G、M:隠れ肥満  
N  :肥満
O  :過肥満
H〜K:堅太り(正常・筋肉性肥満)
男性と女性では体脂肪率にの基準値が異なるので、区別します。 また、女性は30歳を境に基準値が変わりますので年齢も考慮する必要があります。


 
 男性、女性とも@、E、G、M、N、Oの領域に該当する方を指導対象として 捉えます。その方々に対しブレスローの生活習慣をクロスさせます。 これ以降はBMIの場合と同じ様にして取り扱えます。

 体脂肪を考える場合以下のことに注意して下さい。
 体脂肪の付き方 クロス表で肥満の実態をつかめますが、最近では体脂肪率が同じでも脂肪の付く位置によって動脈硬化による高脂血症や糖尿病の罹患率にだいぶ差があることが分かってきました。
 脂肪の付き方により皮下脂肪肥満型と内臓脂肪肥満型に分けられますが、この中で、内臓脂肪型肥満が最も危険率が高いと言われています。しかし、この内蔵脂肪は付きやすくまた、運動で消費されやすい性質を持っていますので、該当者へは運動の必要性を指導します。

皮下脂肪肥満型と内臓脂肪肥満型の見分け方
@ 体型診断:リンゴ型(内蔵型) 洋なし型(皮下脂肪型)
A W/H比:(ウエスト/ヒップ比)男性1.0 女性0.8を越えると注意
B V/S比:陽骨のCTスキャンフイルムから面積比を求める。  
 内臓脂肪面積/皮下脂肪面積=〜0.4(男女共)これを越えると非肥満者   を含め糖尿病罹患が多い。
@〜BにおいてBが最も正確で信頼度は高いが、簡単に誰にでもというわけには行かず、一般にはAが用いられます。
参考までに日本医師会ではウエスト周囲(男性85p、女性90p)以上を内蔵型肥満と判定のガイドラインとしています。

体脂肪計を使うときの注意事項 
  現在出回っている体脂肪計は簡単に測定出来る事で普及していますが、機器としての統一基準はなくその扱いには注意すべきことがいくつかあります。 保健指導などに用いる場合は以下のことを守るように心掛けて下さい。  

@手型か足型かに統一する。
 手型は腹腔内脂肪、足型は臀部皮下脂肪を主に測定している。
A同じメーカーに統一する。
 メーカーにより演算式が異なる。
B同じ形式に統一する。
 型式による演算式の違い(補正、修正など)。
C出来る限り同じ装置で測定する。
 機械本体の個体差(±10%の開きがある。医療機器ではなく家電製品の規格)。
D同じ時間帯に測定する。
 食事や飲水による影響を避ける。
 その他、測定時の握力差や足の置き方にも影響される。

 このような理由により大規模な疫学調査には誤差が大きく採用されていません。 しかし、@からDまでを守り当人の過去との比較には有効で、その変動に対してウォーキングなどの運動量の調節の目安など積極的に活用されています。

            
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