アオマツムシ

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1998/09/09

 リーリーリと虫の鳴く音が騒がしくなってきた。もちろん秋に近づくせいであるが、年々うるさくなってくるような気がしている。

 5年ほど前になるのだろうか、中津川駅前を歩いているとき、ふと樹上で鳴く虫がいることに気がついた。コオロギが木の上で鳴くのか?と不思議に思っていた。秋に鳴く虫でしかも樹上にいるものは僕の子どもの頃にはいなかった。樹上でなく虫と言えばそれは、セミの専売特許であったように思う。

 今夜我が家に進入した虫。この虫をご存じだろうか。最近我が家aomatumusi.jpg (40420 バイト)の庭の木の上で盛んにリーリーリとうるさく鳴いている虫である。触覚をまっすぐ前にそろえて出し、前後ろの区別がその触覚でしかできないような形をしている。これが「アオマツムシ」である。

 中津川市にいつ頃入ってきたのだろうか。先ほど書いたように僕たちの子どもの頃にはいなかった虫だ。いろいろ調べてみるとどうやら、中国からやってきた虫らしい。

 1989年東京の赤坂のエノキの樹上で、新種として発見された。すでに、中国大陸の南部での生息が確認されており、果樹などの樹木に産み付けられた卵の状態で、日本にやってきたと考えられている。県内においては、1979年岐阜市柳ケ瀬のさくら樹上で、初めて生息の確認がなされた。(「ふるさとの虫に学ぶ(岐阜県高等学校教育研究会生物部会編)より」

 1979年といえば僕が24歳の時、中津川には一体いつ侵入してきたんだろうか。それほど前ではないような気がするのだが。樹皮に卵を産むことから、街路樹の広がりとともに生息域を広げているとも。これも自然の摂理、とやかく言うことはないけれど、鈴虫やコオロギと言った昔からの虫たちのことも忘れないようにしたいもの。

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