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ボツリヌス療法


 当院では顔面神経麻痺後の片側顔面けいれんに施行しております。食中毒の原因菌として悪名高いボツリヌス菌という細菌から採れるボツリヌストキシンは、筋肉を麻痺させる作用があります。

 その作用をを利用してボツリヌストキシンは片側顔面けいれん、眼瞼けいれん、痙性斜頚の治療に用いられています。

 方法は簡単で、精製したごく少量の毒素をけいれんする筋肉に注射することで、そのけいれんを抑えようとするものです。それは、従来の方法(手術療法や神経ブロック療法)とは比べ物にならないほど容易く効果的であったため、アメリカでは1980年代に臨床試験が進み、1989年末に初めて眼瞼けいれんに対する治療法として認可されました。

  その後、世界中で有効な治療法として認められ、日本でも1980年代後半から臨床試験が始まり、1997年4月に眼瞼けいれんに対しての治療が認可されました。次いで2000年に片側顔面けいれんに対して、2001年に痙性斜頚に対して適応が拡大して、多くの患者様がこの治療を受けております。

  当院ではペインクリニックの関係から、ベル麻痺やラムゼーハント症候群(耳の帯状疱疹)の患者様が時々来院されます。これら疾患による顔面神経麻痺が回復し、後に生ずる片側顔面けいれんは非常に治療が困難でしたが、それらにこのボツリヌス療法を施行しております。

 また、現在日本では、健康保険診療の対象となる疾病治療として、眼瞼けいれん、片側顔面けいれんの他、痙性斜頸、小児脳性麻痺患者(2歳以上)の下肢痙縮に伴う尖足に使用されています。そして、2009年春からは、自費診療のアンチエイジング治療として、65歳未満の眉間の表情じわの治療が適応となっています。

 なお、国の承認したボツリヌストキシン製剤を用いて治療を行う場合には、医師にはあらかじめ規定の講習・実技セミナーを受講して資格を取ることが義務付けられているので質の高い医療が得られることになります。

 

 
 
Copyright 2010 NIPC. All Right Reserved. 最終更新--Thursday, 9-06-2010 11:20 am--