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銀行員の癒鬱 05年2月

月末には、必ず銀行に行かねばなりません。
ATMだけでは出来ない事なので窓口で用事を依頼し、それなりに待つことになります。
その銀行は我が町には二つ支店が有りまして、空いてる方へ行くのですが、それでも月末ともなればそれなりに待たされます。
ですから、少しでも待ち時間が少ないように、朝いち9時に行きます。
すると、必ずと言って良いほど見かける人らがいます。

一人の初老の女性は、まぁおばさんですね、必ずジャージを履いている、そのジャージおばさんは、よれよれです。身なりはハッキリ言って相当みすぼらしいです。
そのおばさんは、30分もの間ATMに張り付いてます。
隣りのATMで、用事をする時に何げにチラリ見をしたりしたのだけれども、数千円単位で振り込みをしてます。
歳も歳ですから間違えとかも多く、はかどりません。
「もう一度最初からやり直して下さい。」って例によって機会に言われてます。
以前、見るに見かねた銀行員のおねーさんが、声を掛けましたが、おばさんは一切無視です。
ひたすら、聞き取れない声で独り言を言いながら、ATMと格闘をしてました。

あれは、言っては何ですがローンの返済ですね。私の想像は間違って無いと思います。
毎月末に、30分掛けてローンの支払いをする、おばさんです。


おばさんは実害は無いのですが、もう一人、これはどうにも嫌だろうなと言う人がいました。
ハッキリ言ってヤ○ザです。どうみてもヤ○ザです。
おまけに、関西弁で大声です。

「おいっ、ちょっとこのカード調べてくれや。○○○(銀行外に設置してある)のATMへ入れても使えへんのや。」
「ハイッ、少々お待ち下さい。」ビビル女性行員。後ろの方からやって来るベテラン男性行員。
たいがいこの手の場合ベテランなのですが、でもさほど偉く無い人が出て来ます。
この辺りが、仕事は出来ても大卒では無かったり行内の試験に合格しない人らの辛いところです。
公務員で言うところの、キャリアとノンキャリアみたいなものしょうか。
得てしてこの手のおじさんは、真面目で仕事もそこそこ出来たりして、女性行員などには頼りにされてたりする場合が多かったりします。

「いかがなされました?そうですか、振り込み出来ませんでしたか。通帳はお持ちで無いですか?」
「持ってへんがな。カードでも出来るやろ!使えへんのや!おかしいとちゃうんかい?」
「使えないですか、ではお借りしてよろしいですか?それではご一緒にATMへどうぞ。」
「残高を調べて見ましょう。大丈夫ですね使用出来ます。暗証番号をどうぞ。」
「ん?使える?おかしいな。さっきは振り込み出来へんかったんやけどな、そんなはずは・・・・。」
「どうぞ、現在の残高です。」
「?・・・・・・」
「どうぞ、振り込みして下さい。それでは失礼します。」
「・・・・・・」

『想像通りだよ。残高不足だったんだな。』


翌月もまたやって来ました、例の人。
「おい、ちょっと調べてくれや。お前の所のATMはおかしいとちゃうか?振り込み先の支店が全然出て来ないやないか。どうなっとんのや?ええっ!」
「ハイッ、少々お待ち下さい。」ビビル女性行員。こちらもまたも後ろの方からやって来る、毎度のベテラン男性行員。
「いかかがなされました?そうですか、支店名が表示されませんか。おかしいですね。それではご一緒に。」
「どうぞカードをお入れ下さい。はい、では銀行名を。続いて支店名を、えー、そのメモを見せていただけますか?はい、○○支店ですね。」
「??・・・・・」
「ございますね。ええ、ちゃんとございます。」
「おかしいな、さっきは出〜へんかったやけど・・・おかしいな・・・・。」
『・・・・・漢字が読めなかったんだね。』

さぁ、またまたやって来ました、例の人。
「ちょっと調べてくれるか?このカード。振り込み出来んのや?」
「ハイッ、少々お待ち下さい。」ビビル女性行員。またまた後ろの方からやって来る、ベテラン男性行員。
「ATMにカードは?そうですか、入りましたか。暗証番号も受け付けましたか?そうですか、出来ましたか。おかしいですね。では、ATMへご一緒に。」
「では、まず残高紹介してみましょう。・・・・・はいどうぞ、ご確認下さい。」
「・・・?!な、なんやねんコレッ!金が無いやないか。俺は1週間前に金入れたばっかやで。どないなっとんじゃい?!」
「そうですか。今日は通帳はお持ちでないですか?」
「いちいち通帳なんか持ち歩かへんのじゃ!とにかく調べてくれや!」
「はい、もちろん調べられるのですが、時間がかかりますが。通帳を持って来て頂いた方が早いかと。」
「時間?どのくらいかかるんじゃい?」
「そうですね、2時間くらいかと。」
きっと2時間もかからないと思いますが、月末で忙しいし、そんなのやってられませんから。
「2時間!そんなにかかるんかい?しゃーないな、持って来たるわ。」

私も窓口に用事を依頼し時間がかかる様でしたので、一度銀行を出ました。
しばらくして、再度銀行へおもむくとタイミング良く例の強面の方もやって来ました。
「通帳や。」
「はい、今お付けします。」
「はい、どうぞ確認下さい。」
「・・・・ん?おいっ、何やこれはッ!何やねんこの○○○○(クレジット会社)てのは?」
「えー、私共では分かりかねますが、何か購入されたりとかしてはいませんか?」
「俺は、こんな名前聞いたことないぞ。何勝手に引いとんじゃい!」
「いえ、当方は勝手に引き落とすことは有りませんので、クレジット会社の方に確認して頂いた方がよろしいかと。」
「お前調べてくれや。俺は、こんな会社知らんと言うとるやろ!」
「いえ、これはお客様とクレジット会社のことですし。・・・・本当に何か購入されたりは・・・購入されたお店とクレジット会社の名前は違いますから。例えば何回かに分割して品物を買ったとか・・・・・。」
「!?」
そう言われると、急にだまり込むヤ○ザ。『買ったんだ、ローンで買ったんだよ。忘れるんだよ都合の悪いことは。』
「いかがされました?思い当たりましたか?」
「うん?まぁいい。俺は買うてへんけど調べて来るわ・・・・。」

『あの人たちも大変だ。お金あまり持って無いんだろうな。車もオンボロだったし。大変だ、不景気なんだろうね。大変だ。』




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