その命、軽んずべからず
ここのところたてつづけに、子供さんが不登校で悩んでいるというお母さんからの電話がありました。新聞で、この「母のたわごと」のことを知ったということで、その問い合せと、「実はうちの子、今不登校で悩んでいるのです・・・・」というせっぱつまった声。 おひとりは、クラスで逮捕者が出るほどのひどい傷害を目撃し、また自身もいじめにあって、恐怖で学校へいけなくなってしまったと聞きました。お気の毒です。
不登校になる理由だって千差万別、軽々しく口をはさめるものでもないので、私など何の役にも立てないけれど、他人にそんな心の内を話さなければならない心情はいかばかりか。
「今の姿が一生続くのではないですからそんなに心配はいりませんよ、きっと立ち直ります。だいじなのは学校の勉強ではなく、生き抜く力です、なるべくその子が興味を持てるもの、夢中になれるものを、一緒に探して励ましてあげましょうよ」
と言うしか出来ない私。
こんなことはもう耳にたこが出来るほど聞いておられて、もっと具体的なハウツー本もたくさん読まれている方かも知れない。慰めにもならない言葉に、受話器を置いて、がっかりしていらっしゃるに違いない。
私には、その心の痛みをほんの少し思いやることぐらいしか出来ないけれど、何よりそのお母さんご自身が、家庭の中で明るく輝いて太陽になられることを祈る・・・・他になんと言葉をかけたらいいのやら、そのすべがみあたらない。
. | ご意見御感想は、ryuuji@takenet.or.jpまで. Copyright 1997 RyuujiYosimoto. All rights reserved. |