インターネットぞうきん
吉本龍司、インターネットぞうきんをついに開発!!
えっ、でもインターネットぞうきんって、何?
昨年の暮れ、母校の中学の「先輩講演会」という行事に呼ばれて、龍司が自分の体験談などを話す機会が与えられたのですが、その時、事前にネット交流のような形で、坂下中学生だけに向けたページで意見募集やアンケートを実施したことがありました。
その質問のひとつに、「インターネット○○」――――― この○○の中に、実現したら面白いなぁと思う言葉を入れてくださいという項目を作ったのですね。
すでに実用化の例としては、家電品とインターネットを組み合わせ、外出先から調理が出来るインターネット電子レンジとか、お風呂の準備が出来るインターネット浴室システムなどがあるわけですが、若い柔軟な発想で、常識的には思いつかないグッドアイデアが坂下中学校の生徒の中から提案されれば面白いんじゃないかと、龍司が募集したのです。
中学生の回答の中にはなかなか奇抜なものもあり、インターネット流しそうめん、インターネットごみ拾い、インターネットじいさんなど、その言葉を聞いただけで、なかなか興味をそそられるものがあったのですが、残念ながらその実用案が具体的に示されていないので、インターネット流しそうめんとは、いったい何ぞや? とか、インターネットじいさんって、どんなじいさん? などと、そのシステム構成を勝手に想像して、うちの中では結構盛り上がっておりました。
インターネット流しそうめん・・・・そうめん屋さんが、客の入りにあわせて、水流やめんの量をインターネット上で調整する? うむ。バーチャルで遠隔地にいる人どうしがそうめんの取り合いをするゲームじゃないか。
いやいや、マスコミのニュースなどが流しそうめんのようになっていて、誰かが取ってしまうと、あとから見た人がもうその情報を読むことが出来ない。つまらないニュースはいつまでもぐるぐる流れている、ホームページを開いたら、読みたいニュースをはやく箸の形したカーソルで自分のお碗に入れないと、同時に見てるい人に取られてしまうとか。
インターネットじいさんって、GPS搭載老人のこと? パソコンや携帯電話からホームページにアクセスして、徘徊癖のある老人介護のために、現在地や移動軌跡が示されるのはもちろんのこと、移動距離やエネルギー消費量まで瞬時に数値化されたり、今後の行動予測分析ができたり。などなど。
さて、時はすでに春休みとなり、また舞戻ってきた龍司でありますが、私が、とある掲示板の文字をずっと読んでおりますと・・・・・この掲示板は、1日のアクセス数が非常に多く、長文の書き込みもあるので、画面を徐序にスクロールしつつ、読んでいたところに近寄ってきた龍司。まじめな顔で、私のマウスを突如取り上げて、
「ねえねえ、こうやってさ、」
マウスをスクロールの矢印のところで押さえたまま。
画面の文字は上から下へどんどん移動してゆく。
「こうやって、こうすると」
体をかがめたかと思うと、いきなり自分の頭のてっぺんをパソコンのモニターにくっつけて、そのままの姿勢を保ちながら、
「これ、インターネットぞうきん ―――― こうすると、なんとなく頭を拭いてもらっているような気になる。しかも話題が新しいと、綺麗なぞうきんで拭いてもらったみたいやしね。しばらく更新されていないようなページじゃいやだよね、なんか汚い雑巾使うみたいで。
インターネットぞうきん!」
ああ、母はこの愚息の奇態を、柔軟で奇抜な発想ととらえるべきか、否、悲劇の幕開きか、この紙一重のあやうさで、かろうじて、RealSyncや、DPExを作っている。
・・・・それに、頭を拭くなら、ぞうきんじゃなく、せめてタオルにしてほしかった。
顔洗って出直してこいなどといったら、今度は小川の写真の画面にでも、顔こすりつけているに違いない・・・・・
. | ご意見御感想は、ryuuji@takenet.or.jpまで. Copyright 1997 RyuujiYosimoto. All rights reserved. |