• 中津川名物 栗きんとん  




       わが町坂下のお隣、中津川市は和菓子処として有名ですが、中でも特に人気なのが "栗きんとん"。
       栗きんとんと言っても、よくお正月のおせちに入ってるような、ねっとりしたものではなく、ちょうど栗ひとつ分くらいの大きさで茶巾しぼりにされて、栗の風合いの生きた上品なお菓子です。味、香り、色合いが店々によって多少違い、通の間ではどこかいい、ここがいいと、栗のシーズンになると話しもはずむ栗きんとん。これが龍司の大好物 ―――― 目がない。

       中津川市のインターネット講座をお手伝いした帰り、担当の先生から、その栗きんとんを頂いたのですが、大事そうに抱えて帰ってくるとその箱をまずパソコンの横に置く。
       これだけでも、もう龍司の栗きんとんへの思い入れのほどがわかる。あまり物に執着しない龍司だけれど、とくに大事なもの、お気に入りのものはパソコンのそばへ置く習性があり、栗きんとんの箱はどんぴしゃと収まるべき所へ収まる。
       服を脱ぐのが早いか、栗きんとんの包みを破くのが早いか、さっそくその場でひとつつまみ、にっこり。
       まあしょうがない、今日は龍司が頂いたのだから・・・・・でもひとつづつみんなに分けてよね、とご相伴。

       パソコンしながら、一個、ニ個とよく手が伸びるねぇ。そんなに好きなら、ホームページのトップに中津川の和菓子屋さんのバナー広告でも入れて、広告代は栗きんとんの現物支給でお願いしたら? オンラインソフトのダウンロードと和菓子というのも、ミスマッチなところが新鮮だったりして ―――― 季節限定、鮮度が売り物の栗きんとん。


       翌朝、ひとつ残っていたので、お弁当の隙間にラップに包んで入れたのですが ―――― 帰って来るなり、

      「お母さん、もっと子供の気持ちがわかる親になろう!
       栗きんとん、弁当なんかに入れるなよー、恥ずかしいやないか」

       えっ、食べなかったの?

      「食べたけど・・・・・
       恥ずかしかったで、ぱくっとあわてて口に入れた」

       じゃあ、これ以上子供の気持ちがわかる親はいないと思うけど・・・・・・
       嬉しかったやろ? ああ、今日は弁当にまで栗きんとんが入っとったーって、もう嬉しくて嬉しくて、涙出たやろ、うーーん、やっぱさすが子供の気持ちがわかる親やねぇ。うんうん、涙にくもる栗きんとん。とまあ、こんな具合に自画自賛。
            

       別に栗きんとんだからというわけでもないけれど、お弁当にひとつくらい甘いものをと、お母さんはいつも心掛けているんだよ。深夜までパソコンいじっていて、朝ごはんも、やっと一杯を無理やりかっ込み、ふらふらと家を出てゆくので、甘いもので少しでも早く脳にエネルギー補給してあげないと、目が覚めないんじゃないかと思ってね・・・・・

      『 龍よ、もっと親の気持ちがわかる子になろう! 』


      平成10年11月15日






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