鰹がとれない
鰹についての新聞の記事やテレビのニュース等を見ていると1994年は鰹がとれないようだった。それで、そのことについて調べようと思った。
鰹漁の不漁についての特集
1.気候の変化で海水温の分布が変わったために、鰹の回遊ルートが変わった
2.茨城県水産試験場の二平章さんの説
40年前から大きさや重さのデータを研究している。とれる鰹が小型化してきている。
遠洋の鰹の取りすぎで、鰹の絶対量が減ったために競争相手が少なくなって、日本の近海を回遊せず餌がとれるようになったため、日本近海にこなくなったのではないか。
1も2も可能性はあるがはっきりした理由はまだわかっていない。
土佐清水市役所 企画広報室 広報係の人に問い合わせたところ、鰹漁の写真(目次タイトルなど)と鰹の生態や漁について詳しく書いた資料を送っていただきました。しかし、土佐清水にはあまり鰹の水揚げがないので、漁獲高は年々減少しているようですが、鰹漁が盛んな佐賀町に問い合わせてみてはということでした。
佐賀町に問い合わせたところ以下のようなことがわかりました。
現在の漁の実態
- 船の大きさ 19t〜150t
- 漁船の数 30隻
- 乗組員の数 19tの場合10人ぐらい
70〜150tの場合25人ぐらい- 漁の期間 3月〜11月
- 漁の場所 南方フィリピン沖から三陸沖
このときは勝浦、那珂湊、気仙沼- 今年はわりと豊漁で市場価格が下がっている
ニュースと佐賀町のいっていることが違うので、水産試験場の二平章さんにもう少し詳しくきこうと思い問い合わせました。
問い合わせてわかったこと
1.近年、西太平洋全体の鰹の漁獲高は、まきあみ漁船の増加もあって非常に大きくなっている。
2.1の影響が日本近海に除々に現れてきている。特に春先(4〜5月)漁獲があがらない傾向がここ5,6年続いている
3.40年間にわたり日本近海に回遊する鰹の大きさを調べた結果、1970年をさかいにとれる鰹のおおきさが小さくなってきている。これは、1970年代以降南方漁場の開発や、巻き網船の増加で、鰹の自然のサイクルを変化させたためである。
高齢産卵群が減ったために、これから生まれる鰹のグループが減って、若年産卵群に支えられるようになった。4.気象との関係については、これまでの研究でははっきりとした結果は出ていない。
二平さんの研究について思ったこと
鰹の研究を40年間も続けているなんてすごいと思ったし、こんなに詳しく広い太平洋をよく調べたなあと思いました。