情報網の整備と経済動向

情報網の整備と経済動向


1.進む商品開発、技術開発競争

 情報機器の分野は、以前から他の家電品などに比べて、ものすごい勢いで製品開発の競争がされて、どんどん新製品が送り出されています。この半年間の動きで特に目立ったのは、インターネットの一般家庭普及をねらって、インターネット接続を主な目的とした、5万円パソコンの開発競争でした。新聞に発表されただけでも、ソニー、日立、シャープ、NEC、日本電算機、東芝、セイコーエプソン等、毎日のように経済情報欄にのっていました。また、一方で、テレビにインターネット機能を付けて、CATV等を利用してインターネットができるテレビの開発もすすんでいるようです。数年後にはこの方法が主流になるという見方もあるそうです。ソフトの面では、より人間に近づいたソフトウエア開発が研究されているそうです。たとえば、ゆっくり朗読しなくても、話し言葉を瞬時に翻訳するソフトや、声紋で本人確認するシステムやチェスや囲碁、将棋などで名人といわれる人と対等に勝負できるソフトなどがあげられます。

僕の感想

 パソコンなどは、技術の進歩がはやく、昔は1千万出して買えなかった物が数十万又はそれ以下で手軽に買えるようになってきているので、すごいと思います。しかし、最新の物を買っても、すぐに古くなってしまうのは、少々残念に思います。ソフトの開発でいえば、数年前までは、何万行書いても実行できなかった処理がものすごく簡単に実現できるようになって、しかもその情報やツール、最新情報がネットワーク上で開発者から僕のような草の根のプログラマーにまで提供されるようになっています。僕の場合、Microsoftなどのホームページにアクセスして技術情報などをダウンロードしたりしますが常に最新の情報を提供してくれるのでおもしろいと思います。

2.企業の情報通信網の整備と対応

 大手企業では、社員全員に1台ずつパソコンを配備して、社内ネットワーク(LAN)を構築する動き、またそれをインターネットとつないで、事業拡大をはかる動き等があげられます。 たとえば、東邦ガスでは、電子メールを活用して、5年後には75パーセントをぺーパーレス化、事務処理の20パーセント削減を目標にOA化推進をはかる。(7.11.21記事)トヨタ工機は電子メールでの見積書発行など、2000年には紙0化目標(7.11.20記事)松下電器、すべての販売店をインターネットで結んで、情報伝達の迅速化、事務処理の合理化をはかる目標、(7.12.12記事)トヨタ自動車がすべての系列ディラーすべてをネットワークで結んで、発注業務などを効率化。 専用のアクセスポイントや回線を敷設する。(8.6.7記事)等確実に高度情報化が進んでいます。株式投資や金融機関などでは、資金運用や取引を顧客のパソコンを通じて、ダイレクトに行うシステムの整備がされつつあります。

僕の感想

 OA化すると、事務処理が削減されたり、紙をあまり使わなくなるので、地球の環境にとってはいいことだと思います。しかし、反面OA機器の増産によって、地球環境が悪化することも心配だと思いました。でも、僕の場合、インターネット等で入手した情報は、画面だと、呼び出したりするのに手間がかかるので結局は、印刷してしまうので、ペーパーレスになっていないと思いました。

3.景気経済への影響

 全国的に長期不況のなか、パソコン関連産業については、生産増、出荷増で、活況のもよう。平成7年度の年末、年始も休み短縮で需要に対応(7.12.17記事)1995年の国内出荷台数ま前年比71パーセント増の571万台(8.1.30記事)パソコン景気を反映して、半導体メーカー各社も軒並み増収、増益。(8.5.29記事)この勢いは、夏まで引き続き、夏のボーナス商戦もパソコン売場がにぎわった。(8.7.3記事)パソコンが売れたおかげで、パソコンの操作説明書や書店にならぶパソコン関連誌、通販用カタログの増刷で紙の生産業界と印刷業界がうるおった。(8.1.24及び5.31記事)だが、半導体業界は、供給過剰ぎみにあり、新たな問題もおこっている。マイクロソフトはWINDOWS95の好調な売れ行きで、前年比50パーセント利益増、ビルゲイツ氏は、2年連続世界の長者番付の1位になった。(8.7.1及び7.23記事)

僕の感想

 ペーパーレス化を目指したパソコンが売れたおかげで、逆に、紙が多く使われるようになったということはおもしろい現象だなあと思いました。

4.仮想商店街と電子マネー

 インターネット上に仮想商店街を開設して、画像を使って商品を詳しく展示し、申し込み、販売、代金の決済をする仕組みを電子商取引というが、その仕組みが、まだ完全に構築されていない。いままでに、予想しなかった事なので、法的な問題や、取引の安全の問題がこれからルール化されようとしている。今は、実験段階として各社がネット上に商店街を開設している。富士通は、自社のネットサービス上に500社以上の出店を目標に展開をしています。(8.3.1記事)NTTデータ通信、三菱商事、中部電力、大垣共立銀行、日立等が商店街の運用や取引に使う、電子マネーの研究に取り組んでいる。郵政省や金融制度調査会などは、電子化された金融情報の安全確保や法律上の問題を検討中。(8.4.16及び5.22記事)

僕の感想

 もうすでに、ネット上でいろいろな買い物ができるようになっているが、安全性をいろいろ模索しながら、実験的にいろいろな業者が競って参入しているような状況だと思います。家に居ながらにして、いろいろな物が買えるようになるので、便利だなあと思いました。

5.就職、雇用への影響

 パソコンの普及によって、従来の就職や雇用形態が、大きく変わろうとしています。まず、OA導入の合理化によって、事務職、管理職等の人員削減が進んでいる。コマツは管理職の定期昇給を廃止して年俸制を導入、社員全員にパソコン配備する情報化戦略を発表(8.3.7記事)松下電工は電子メール等を通じて、末端の社員から、直接経営者に新事業公募するなど、ベンチャー制度の導入。(8.3.23記事)など、従来つとめた年数が増していけば自然に出世して、給料があがる雇用制度が大きく変わりつつある。雇用の国際化で、4月しか定期採用の行われなかったのが、秋や、通年採用制度を取り入れる所も増えている(8.3.29及び4.17,6.15記事)また、採用審査そのものもインターネットを通じて履歴書や小論文などを受付ける企業が増えている。業界関係者は、インターネット応募者の方が、優秀な人材の割合が大きい(8.4.5記事)といっている向きもあり、パソコンができないと採用審査そのものが受けられないような会社も出てくるかもしれない。

僕の感想

 社内でよりがんばった人が、直接提案して意見をいえる制度は、よい事だと思います。けれども、パソコンの導入によって、解雇されるような人が出てくるのは、かわいそうだと思います。

6.アジア各国への工場移転

 電子機械産業界では、昨年あたりから特に、アジア各国への工場進出や事務所移転が相次いでいる。出向先は、フィリピン、ベトナム、シンガポール、タイ、マレーシア、中国等で安価で高質な労働力と関税優遇などのメリットを利用しての進出だそうです。 工場移転が多くなれば、それにつられて国内の金融やサービス産業もアジア各国への進出をし、世界的にみても、今アジアは中心的な市場になりつつある。

僕の感想

 国内空洞化といわれているが、本当にこのままでは、日本国内の産業が、海外に行ってしまって、雇用問題にも影響してくると思います。アジアの人は一生懸命働いているのに、日本人がしっかりしなかったらだめだと思います。

7.半導体問題と貿易摩擦

 パソコンの好調な売れゆきで、増産体制を整えてきた半導体業界が年が明けて、供給過剰ぎみとなり、世界的に値崩れを起こしている。(8.3.19記事)また、半導体問題は日米間の貿易問題になっている。日本での、外国系半導体のシェア拡大や、日本製の半導体のダンピング防止のために、日米間で結ばれた半導体協定が、今年の7月末で期限切れとなった。この協定のあらたな協議のために、6月、7月あたりから、政府間交渉が活発となり新聞紙上によく取り上げられました。

僕の感想

 貿易問題については、僕には、よくわからなかったけど、政府がいくら関与しても良い物を安く売ればよく売れるので、資本主義の社会ではしかたないと思いました。

8.いそがれる国際ルールの整備

 電気通信分野では、外国資本の参入や関税問題などで、国と国との間のルール作りが整っていない。そこで、4局通商会議(日,米,カナダ,欧州連合)による協議やWTO世界貿易機関の基本電気通信交渉などで、問題となり話し合われている。情報通信ネットワークは各国とも、国の規制のもとで発展してきた経緯があり、通信技術が飛躍的に高まって、国際間の壁が急激に崩れてきたので、外国の通信業者の参入などについて、ルール化が急がれる。

僕の感想

 技術が急速に進歩したため今までには予測できなかったような国家間の問題がおきてきているなあと思いました。 情報化社会に併せて、ルール作りも敏速に対応しなければ、また新たな貿易問題などが起こるのではないかと思います。

9.メディア融合の時代

 パソコンソフトの流通、出版大手のソフトバンクと世界的なメディア王ニューズコーポレーションがテレビ朝日の株式の21.4パーセントを取得(8.6.26記事)このことは、放送業界にとっては、黒船来襲とある。中日新聞6.22社説には『メディアの世界にもきた黒船』と題され国際的なメディア業界の再編が本格化する事がかかれていました。 今後、放送ジャーナリズムがどういう方向に歩むのか、関係者にとっても、予測の難しい問題らしい。デジタル放送とインターネットの複合利用など、郵政省の規制緩和が遅れなければ、通信と放送の垣根のないマルチメディア時代が到来するとあります。(8.6.26記事)

僕の感想

 このことによって僕たちの生活がどのように変わっていくのかは、よくわからないけど、着実にマルチメディア化が進んでいるんだなあと思いました。

10.郵政事業とNTT問題のゆくえ

 日本の情報通信予算を示す郵政省の一般会計は約631億円前年比25パーセントののびとなりました。郵政省は、米国の情報スーパーハイウェイ構想に対抗し光ファイバーを全国にはりめぐらしマルチメディア社会を実現しようと計画されているが、今年3月現在で光ファイバーの普及率は約10パーセントで企業や大学などの専用回線でしめられ、一般家庭にはまだ引き込まれていない。(7.12.27記事)

規制緩和も徐々にすすめられている。携帯電話やPHSの通話料等を現行の認可制から届け出制に変更、電波利用料の値下げ(8.1.3記事)

携帯電話の総加入数が1000万台を越えたため、新たに使える周波数帯を増やしたり、小型の基地局作りを進める。(8.4.17記事)

現在3分の1未満に制限している、通信事業社に対する外国資本の出資規制撤廃を検討中。これを撤廃すれば有線テレビ網を使った電話事業や長距離通信、携帯電話などの分野に外国企業が参入しやすくなる。(8.4.21記事) 等があげられる。

郵政事業と密接なつながりのあるNTT問題では、分割問題が焦点となっていました。これは、NTTを長距離通信と地域通信に分離した上で、地域部門を東西2社に分割するというもので、電電公社からNTTに民営化された当時から議論され続けてきたが、今年も結論が先送りとなりました。それは、メディア再編が進む中、外国資本の参入も進む時代に、NTTを分割しては弱体化するという意見や、分割して経営体制を見直した方が情報通信産業の発展にプラスになるという意見が対立したためでした。しかし、それだけではなく、2月2日社説には、『先送りでは通信は発展しない』とあって、分割かどうかの結論先送りの真の理由は、利権がらみの政治的思惑、族議員とNTTとの利害関係がからんでいるとありました。このままでは、日本が通信後発国に転落する恐れが強まる。せめて、接続の円滑化や、規制緩和などいまできることはすぐに実施するべきだと書いてありました。

 僕の感想

 光ファイバーの敷設や、分割などの問題よりも、まずは、電話料金の値下げ(定額制)の導入と回線容量の拡大を真っ先に検討してほしいと思います。僕の場合、岐阜の山奥にすんでいるので、結局アクセスポイントは 名古屋ですが、電話料金が高額なため母に規制されています。 NTTには定額料金制のサービスもありますが、適用が隣接区域までにがきられているため、利用することができません。また、そのサービスも夜11時から適用なので11時をすぎると回線が全然つながらなくなってしまいます。もっと、都会の人たちのためだけではなく、こういう田舎に住んで人のことも考えてほしいと思います。こういう所にも、情報格差がうまれていて、こんな状況では日本の通信産業は外国に遅れるばかりでぜったいに発達しないと思います。この問題をNTTと郵政省のホームページで調べたところ、両方とも定額制、低料金化が望ましいとありましたがいったい声だけでいっこうに進まないのはなぜでしょうか。考えたことはすぐに実行できるような政府になってほしいと思います。それにしても、この件に関して双方とも膨大な資料を提供してくれたことに改めてインターネットのすごさを感じました。

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