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医療、福祉分野の情報化

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  ここでは、情報化は医療、福祉にどのような影響を与え、どのような変化をもたらしているのか、その現状を調べてみたいと思います。

現状


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 遠隔医療はすでに、離島、山間僻地などの医療にハンディキャップを持っているところでは、早くから実施されていて、全国各地で130を越える遠隔医療ネットワークが動いており、400もの医療施設が参加しているそうです。
現時点で遠隔医療の多くは、医療施設どうしをネットワークで結び、遠くにいる専門医にデータを送って、診療を受けられるというものです。しかし、それが実際の医療に定着している例は少ないということです。
 もう一つの家庭との遠隔医療は、保険制度、医師法、プライバシー等の問題で現在のところほとんど普及していないとのことです。

電子カルテ

 よく、新聞などで電子カルテについて取り上げられていますが、お寄せいただいた意見にもあるように、電子カルテがどういう物なのかが、まだはっきりしていない状況だそうです。
そして、現在は、電子カルテの規格の標準化や、セキュリティ(プライバシーをどうやって守るか)等の研究が行われている段階です。ただ情報を電子化するだけでは意味がなく、全国の規格を統一することにより、異なる医療機関どうしで同じデータを共有することができるようになります。そのため、国家的に事業に取り組んでいます。

障害者の社会参加

 インターネットやパソコン通信が普及したことで、障害者が簡単にコミュニケーション等をできるようになってきている。
しかし、、様々な補助機器が必要だったり体の動きに制約が多い障害者が、パソコンを1から独学で導入することは、難しく、周りの協力が必要になってきます。
そのため、すべての人が、簡単にパソコンを導入できるという状況ではないようです。


お寄せいただいたご意見


医療現場でのネットワークの活用はさまざまな発展をしています。 一つは画像データの送信です。専門医のいない地域、あるいは医療施設で得られ た画像を専門医に送り専門的なアドバイスを受ける。実際に企業化しているグル ープもありますし、絶対数の足りない病理関係では病理標本を送り診断してもら う試みも行われています。 第二は患者さんの様々なデータのネットワークです。現在は各医療施設毎に検査 が行われていますがネットワークができればこうした無駄がなくなりかつ患者さ んの今までの病歴の把握も可能となります。 坂下病院でも現在福祉センター、老人保健施設、病院地域医療課との間でんネッ トワークを作る事になっています。 また新病院ができる時には放射線科で撮影されたレントゲン写真や超音波画像あ るいは内視鏡写真等をモニター画面表示できるようなシステムにしたいと考えて います。 ただこうしたシステムを作成する場合にはいつも患者さんのプライバシーをどの ように守るかが大切な問題となります。

坂下病院院長 高山様


電子カルテについてですが、なかなか難しい問題があって一言で説明するのは大変な のですが、「電子カルテ」という表現、名称そのものが大きな誤解を与えている可能 性があるのです。カルテとはいったい何か御存知ですか?色々な立場の人によってイ メージするものが違っている可能性もあるのです。一般には、医師が書く診療の記録 と考えられてはいますが、現時点では何のために誰がどのような内容を書くのかとい う点については全く統一的な考え方が出来ないものなのです。法律的には医師のメモ として捉えられることも多いのです。 ですから、あるお医者さんが、今まで書いていたカルテの内容を単にワープロで入力 したとしても、ある意味でそれは電子カルテと呼ばれるのかも知れませんし。企業や これを専門としている先生方の言うことはあくまで物の一面を捉えているに過ぎませ ん。新聞やネット上で公開されている物はあくまでそういった性格を持っていると理 解して下さい。電子カルテが導入されれば、質が良く無駄のない医療が実現するとい うことを言いたがる人も多いのですけれど、ぼくはには本当にそうなのかなという疑 問もありますし。そういう意味では、現時点であなたがおたずねの質問に私は答える ことが出来ません。まずは、一体電子カルテとは何なのかという命題に取り組まなけ ればならないのですから。

医療情報システム開発センター 星様

大学はいまsinetという学術ネットにつながっていることはご存じかと思います。
このsinetを利用する趣旨というのが「学術研究用」としての利用を条件に接続をされるということなのですが、医療現場、特に医科大学の付属病院などはそのままsinetを利用してしまっている状態です。これはsinetの利用精神と
ずれるものであり、医科大学は商用ネットを利用する方向で検討を進めています。
そのほかのトピックとしては、僕の通っている大学が本格的にイントラネット構築を行うというところでしょうか。電子カルテなども導入する予定ですが、何はともあれ患者さんのプライバシーの問題とかセキュリティに一番気を使います。

学生プロバイダ経営

いま、医療の分野でのKeywordは「電子カルテ」「保険書のICカード化」かな?!
どちらにしても、ネットワークを使ったりするといろいろなところ(病院、診療所、薬局)で、その人の情報(病名、検査データ、薬歴)を知ることができます。
そこで、問題となるのは当然、「プライバシーの問題」です。その人の個人情報をいったいどこまで医療スタッフが共有するか問題です。
私としては、何でもかんでも、コンピュータ化するのではなく、紙の文化もいいところは残しておいた方がいいと考えてます。
例)「カルテ」(電子カルテは、画像の技術がもう少しあがらないと無理。診断の質が落ちる可能性があるそうです。)

薬剤師

ど真ん中 Do! mannaka では只今「ど真ん中の病院」というコーナー制作しています。 エリア内の全病院のリストを作り、データベース化してインデックスから診療科とか市町村とか休日診療とか検索するページです。もちろんホームページのある病院はリンクしてゆきます。同じように、歯科医院・老人福祉施設なども行っていくつもりです。

Takenet 武川様

まとめ


 医療、福祉の情報化は、だいぶ進んでいて、これからもどんどん増えてくると思う。現時点では、まだいろいろな問題もあり、みんなが模索、研究している段階で現状といえる物はないけど、それも、時代の流れ、技術的にもやがて解決できると思います。 また、マルチメディアでは、1つ障害があっても、別のメディアとして表現する事ができる。こういういろいろなメディアを利用するとこにより、障害をもっていても同じように社会に参加できるという時代になってきています。
また、日本列島ど真ん中では、病院についても、リスト化して、簡単に探せるような計画をしているそうです。その他、病気に関する情報や、O157情報など、インターネットが身近な事に役立っていく道具になっていけばいいと思います。高齢化が進む中で、情報化によって、医療が機械化、自動化みたいになるのではなく、より細かい、医療ができるようになるといいと思います。また、地域格差や障害者の格差がないより平等な社会ができていけばいいことだと思います。

参考資料

厚生省ホームページ
厚生省 遠隔医療研究班
(財)医療情報システム開発センター(電子カルテ他)
つくばヒューマンシューティアルケア研究会 薬剤師による真の医療を考える