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電磁波

 最近、パソコンから出る電磁波が健康によくない等ということをよく聞きます。マスコミでは、電磁波が危ないなどと言われていますが、実際はどうなのでしょうか。
今回は、電磁波とはどういう物で、どんな現状なのか、調べてみたいと思います。
電磁波については、資料も難しくなかなか理解できませんので、もし間違っていたらご指摘下さい。

現状

電磁波とはいったい何か

 電磁波という言葉はよく使いますが、まずは、電磁波という物が一体何なのかがよく分かりません。辞典で調べてみると、以下のようになりました。
電荷をもつ粒子の振動や加速によってつくられるエネルギー波が放出される現象。電磁波には電気成分と磁気成分がある。電磁放射は、高い振動数と短い波長をもつ波から、低い振動数と長い波長をもつ波まで、スペクトルに配列することができる。
電磁波とは、ガンマ線、X線、紫外線、可視光、赤外線、マイクロ波、ラジオ波等のとても広い意味を持っているようです。そして、振動の波長(1つの波の長さ)は、1cmの100万分の1から数キロメートルの物まであり、それによって特性が違いいろいろな種類に分けられているそうです。(電磁波については、難しくてとても僕には理解できないので、詳しくは、関連資料のリンク先をご覧下さい。)
 電磁波の中には、X線や、電子レンジなどで使われているマイクロ波、紫外線など有害な物がたくさんありますが、いま特に問題になってきているのは、その中でも、波長が長い極低周波という物だそうです。50Hz、60Hzといった家庭電源や高圧線、パソコンで言うとディスプレイの垂直同期(例えば僕の環境、1024×768で69.8Hz)等がそれにあたると思います。
つまり、電気を使っている物すべてから発生しているといえます。また、携帯電話なども強い電磁波を使用しており、問題となっています。

極低周波とは何か

 ではなぜ、いたるところから発生している極低周波が問題となっているのでしょうか? よくわかりませんが、電磁波は、電場と磁場の波だそうで、波長が長いと磁場の性質が強くなるということです。そして、交流電流の場合は、プラスとマイナスが交互に入れ替わるので、磁場の向きも交互に変動します。


電磁波の影響は

まず、携帯電話や、電子レンジに使われている高周波(波長が短く振動数が多い)は、熱作用(熱を生み出す効果)が強く、目のような器官では熱が逃げにくいため、その熱によって眼球が濁り白内障になる可能性があるそうです。特に、携帯電話は、近くで使用するため危険性が高いと言われています。電子レンジでも電磁波が漏れている場合があるということです。
次に極低周波は、磁場の向きがに1秒間に50回や60回という速さで交互に変動しています。これが脳内の信号を乱したり(神経刺激)、体内の細胞に悪影響を与えたり、遺伝障害などを引き起こす(非熱的効果)ということが指摘されています。
具体的には、スウェーデンのカロリンスカ研究所が25年間、高圧線から300m以内に住んでいる住民を調査した結果、3ミリガウス以上では、小児白血病が3.8倍、2ミリガウスでは、2.7倍という発表や、フィンランド、デンマークで行われた調査でも、白血病の発生率が高くなるというものでした。2ミリガウスという数値は、磁場の強さを表していますが、テレビ、パソコンなどからも発生しています。しかしながら、これらの報告においても、白血病との具体的な因果関係は解明されていません。また、その他の研究、調査では、電磁波はガンや白血病などには関係ないとするものも多く、結局、今のところ有害なのか無害なのか分かっていないのが現状です。
白血病だけではなく、ストレスや、疲労などの影響も指摘されています。これについてもまだ詳しく分かっていません。
とりあえず、電磁場は距離の2乗に反比例して弱くなるため離れれば大丈夫とのことです。
さらに詳しい影響については他のサイトで詳しく説明されていますので、是非、関連資料をご覧下さい。


実際にどれくらい発生しているか

 参考資料の中に『簡単な電磁波の測定方法としてはラジオを選局しない状態で遠いところから徐々にテレビに近づけます。ノイズが大きくなったところがおおむね2ミリガウスです』
との記述がありましたので、早速ラジオを使って実験してみました。
正確ではありませんが、テレビでは4m〜5m、ディスプレイでは1m、パソコン関係の機器が接続してあるコンセントでは40cm、電気毛布では10cm、ISDNで通信中の電話線でも20〜30cmくらいの範囲でラジオの雑音が極端に大きくなりました。これらが複合して、パソコンの周辺ではまったくラジオが入らない状況です。

電力消費量が多くなることと白血病との関係は今のところないと言われていますが、電力の消費量が年々増加し、その分身の回りにある電磁波の多くなっていると考えられます。
基準はあるか

 日本では、極低周波など新たに問題となってきている電磁波についての規制はほとんどなく、野放し状態です。
既に強い磁場では人体に影響することが、ラットを使った実験などから分かっていて、
WHO(世界保健機構)では、50ガウス(1ガウスはミリガウスの千倍)という基準を87年に作りました。日本の電力会社(つまり、高圧線、発電所など)は、この数値を満たしているとして、安全といっています。電化製品も同じように野放しです。
政府関係の関連サイトを検索したところ電磁波の問題に関する詳しいことはほとんど掲載されていませんでした。郵政省では『電波防護指針の運用の在り方に関する調査研究会』、労働省産業医学総合研究所では『電磁場の生体影響に関する研究』というものが見つかりました。いずれも、まだ研究、論議が始まったという段階のようです。
 WHOでは、基準見直しのため、『INTERNATIONAL EMF PROJECT』を立ち上げ、96年から5年間の調査を行っています。
その他に国際的には、ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)ITU(国際電気通信連合)が基準を検討しており、ヨーロッパでは、CENELEC(欧州電気標準化委員会)がヨーロッパでの共通の規格を作る作業を進めているそうです。
アメリカやヨーロッパなどは、電磁波対策が進んでいるようですが、国際的にもまだ十分な対策がとられているわけではありません。


お寄せいただいたご意見


 世の中には電磁波過敏症の人もいるようで影響が問題になっていますが、日本とい
う国は欧米で規制ができて、それに影響されない限り規制を作りそうにないので、い
つ頃世間一般に意識されるようになるかある意味楽しみ?です。
 僕はアマチュア無線をやってるんですが、最近あらためて電波の力には驚かされま
す。と言うのも、わずか5W(144MHz帯)の電波で近くの赤外線センサーライト
が誤動作したりするものですから...
赤外線ライトが電波に反応するのかぁとある意味感心してしまいました。
 その他にも、町内の友人と交信しているとき、友人の所ではディスプレイの近くで
(要するにパソコンしながら話してるわけです)受信すると、ディスプレイからの影
響でこちらの電波が受信できない事もあるみたいですし。
自分自信もアンテナの近くに長い時間いると、頭がくらくらしてきます(^^;

まとめ


今回、97年の夏に行った『21世紀情報社会を生きる』の継続課題として、電磁波の問題に取り組んでみました。ここでは、電磁波の中でも、マイクロ波と、極低周波について簡単に取り上げました。電磁波は、テレビ、ラジオ、衛星通信、医療など様々な分野に応用され、高度情報化の根本でもある、情報通信を支えています。電磁波は、身近なありとあらゆる所で活用され、生活を便利にしています。その反面、ありとあらゆる所から発生していて、人体に影響を与えることが分かりつつあります。いまの僕たちの生活は、電磁波が無くては成り立ちません。しかし電磁波の良い面は分かっていても、悪い面はほとんど分かっていないのが事実です。
悪い面が明らかになったとしても今の生活を再び変えることはまず無理だと思います。
「まだ詳しく分かっていません。」と書きましたが、有害ということも分かっていなければ、無害ということも分かっていない、どちらかといえば有害のような気がするというのがいまの研究結果です。
電磁波の問題は、決して高圧線の近くに住む人や、パソコンの前で働く人だけの問題ではありません。今でさえ、たくさんの電磁波に囲まれ生活しているのに、21世紀には、情報化が進み、電気への依存がさらに進んでいくと思います。
今、長生きして、平均寿命を伸ばしているのは、どちらかといえば電磁波とは無縁の人たちなのです。はたして、僕たちの世代はどうなっていくのでしょうか?
これから、詳しく分かってくるのだと思いますが、電磁波についてしっかりとした知識を持った上で、分かっていないだけに自分で考えて行動していかなければならないのだと思います。





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