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テクノストレス

 今回は、急速なコンピューターの普及で問題となっている、テクノストレスについて調べてみたいと思います。

現状

急速な情報機器の普及

 昨年の研究を見ると分かるように、今、僕たちの身の回りには、急速にコンピューターが浸透してきています。インターネットなどのネットワークが普及し、顔も見ず、声も出さずに、離れた人とコミュニケーションがとれるようになってきています。また、学校にも、会社にもコンピューターが導入され、また家庭にも普及してきています。また、パソコンだけではなく、ゲーム機から家電製品までにコンピューターは内蔵されています。
つまり、高度情報化によって、コンピューターが使えなくては、コンピューターと仲良くしなければ、生きていけない社会になってきているのも事実です。
そして今、コンピューターが心に与える影響が問題となってきています。

テクノストレス

その総称として、『テクノストレス』という言葉が使われていますが、テクノストレスとは一体どういうものなのでしょうか。辞典で引くと以下のようになりました。
テクノストレス Technocracies コンピューターに過剰適応したり、逆にうまく適応できないために生じる心身の障害。さまざまな病態があらわれるため、テクノストレス症候群といわれる。1984年にアメリカの臨床心理学者クレイグ・ブロードが名づけた。
テクノストレス症候群は、大きく、コンピューターに適応できない『テクノ不安症』と、コンピューターに適応しすぎてしまう『テクノ依存症』、ディスプレイを長時間使用することによって発生する『VDT症候群』などに分けられるそうです。
これらの症状には、すべてストレスというものが関わっているわけです。
そもそもストレスとはどういうものなのでしょうか。ストレスとは、簡単にいえば緊張状態のことで、人間が危ないと感じたとき、体が戦うか逃げる体制になることです。例えば、心臓の鼓動、呼吸がはやくなる、血糖値があがり、汗がでて、消化がおそくなるなどの症状があります。この状況は、日常よくあることであり、ストレスがなくなればすぐ元に戻ります。しかし、この状態を長期間にわたって受け続けた場合、体が警戒態勢のまま元に戻らなくなり、体のエネルギーが使いはたされ、死にいたることもあるということです。
そのストレスがコンピューターによって引き起こされているのが、『テクノストレス症候群』です。

テクノ不安症

 コンピューターの普及により、事務処理や、社内連絡などもコンピューター化され、文章は、ワープロで書かなければ通らない時代になってしまい、いままでコンピューターとは無縁だった人がコンピューターに向かうことが多くなっています。
 『テクノ不安症』とは、コンピューターを使わなければならなくなったとき、コンピューターは難しい、怖い、という意識に追いつめられてしまうというもので、コンピューターを避けるようになり、過度のストレスによって、いらいらしたり、強い絶望感を抱いたりするそうです。
予防策としては、自分の他の能力にも目を向け自信を持つ、休暇をとる、得意な人に指導してもらうなど積極的に行動するなどが上げられます。


テクノ依存症

 たぶんこのページを見られている方に、テクノ不安症の方は少ないと思うので、テクノ依存症について詳しく調べてみたいと思います。僕も、小学校3、4年からコンピューターと付き合っていますのでとても気になるところです。
『テクノ依存症』とは、コンピューターに適応しすぎて、コンピューターの事しか考えられない、対人関係を嫌う、思いやりが欠如する、オン/オフ、はい/いいえ、正解/不正解といった極めてデジタルな考え方しかできなくなるなどの症状をいうもので、つまりは、機械的に人間になってしまうということです。
統計的には女性より男性の方が依存症になる傾向が強いそうです。
また、最近では、インターネットなど(メールやチャット、ネットサーフィン)にのめり込んでしまい、睡眠が減り、部屋に閉じこもって対人関係を嫌い、実生活にも支障をきたしてしまう。つまり、仮想社会から実社会に戻れなくなってしまう。いわゆるネット中毒になるケースも増えてきています。特にインターネットの普及しているアメリカでは問題となっています。日本でも最近は、ネット中毒になる人が増えてきています。
 また、バーチャルリアリティ(仮想現実)がゲームなどに応用され、バーチャル〜、仮想〜といわれるものに触れる機会が多くなっています。そのため、コンピューターにのめり込んでしまうという事がなくてもテクノ依存症にはなる可能性があるのではないかと思います。
予防策としては、休暇をたくさんとるようにする、人との交流を多くする、思いやりや優しさの重要さを再認識するなどがあげられます。



お寄せいただいたご意見



まとめ


 今回は、テクノストレスについて簡単に調べてみました。極めて簡単に説明してしまいましたので、詳しいことは是非、関連資料でリンクしてあるページをご覧下さい。

 僕も、パソコンの前でディスプレイを見つめる作業(特にプログラミング)は多いのが現状です。僕は確実に『テレホーダイ依存症』(テレホーダイの時間になるとなぜか目が覚めてしまう)にはなっていると思いますが、さいわい人としゃべっていないと落ち着かない性格で、しかも楽観的に物事を考える性格なので、テクノ依存症の方は今のところ大丈夫そうです。
しかし、最近の若者(と言っても僕も今年、高校1年なわけです)は慢性的なテクノ依存症なのではないでしょうか。いま毎日のようにニュースで少年犯罪を放送しています。少年たちの意見はだいたい決まっていて(そういう意見しか放送していないだけかもしれないが...)『上辺だけの友達』『いっそのこと先生としゃべらなければむかつかない』といったものです。
これは、『対人関係を嫌う、思いやりが欠如する、単純な考え方しかできなくなる』と先ほど書いた依存症の症状とほとんど一致しています。
確かに僕たちの世代は、通知票から始まって、受験、内申、ゲームとデジタル的数値的に処理されているものに囲まれて生活しています。
アナログよりデジタルの方がいいという事がよく言われていますが、実際には、デジタルカメラより、普通のカメラの方が画質はいいし、電話を使うより実際にあった方が、表情から雰囲気まで多くの情報量を伝えることができます。
人間の心も本来アナログ的なもので、コンピューターより遙かに多い情報量をインテルのプロセッサより早く処理しています。
いくらMMXテクノロジなどといっても人間のマルチメディア処理能力には勝てないと思います。
狼に育てられた子供が狼のようになってしまったように、このようなデジタル社会、高度情報化社会の弊害が今の中学、高校生の世代に反映されているのではないかと思います。
僕は、まだこれからコンピューターとのつきあいは長くなると思いますが、インターネット、コンピューターネットワークといった言葉を使っても、結局は人と人のつながりなので、その点をしっかり考えて、コンピューターに向かっていきたいと思います。


関連資料

Dr.Fisherman's Page (テクノストレスの解説)
テクノストレス症候群 (テクノストレスについて春日伸予氏の論文の紹介)
コンピュータワーカーズネット(コンピュータ従事者の会)
テクノロジーの進化とコミュニケーション・ストレス
読売新聞記事データベース『ネット中毒』
インターネット掲示板 No.9 Internet Addiction
松の部屋 インターネット中毒度検査 (まあ一度試してみるのもいいかも)
あなたもインターネット中毒?



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