坂下町には活断層『阿寺断層』が通っています。この断層は地震学者のあいだでは有名で、インターネットにもたくさん資料があります。阿寺断層は益田郡萩原町から中津川市神坂まで70Kmもある日本でも有数の活断層だそうです。そんな断層が僕の家のほんの近くにあるというのは驚きです。坂下ではこの断層がよくわかります。この断層についてちょっとホームページなどで調べてみました。難しいページが多かったのでもし間違っていたらご指摘ください。画像はクリックすると拡大して詳しく見ることができます。なお、説明の大部分は坂下小史より抜粋させていただきました。
▲上鐘から木曽川を望む
坂下町の地形は河岸段丘と断層でできています。河岸段丘は川が地面を削っていくことによってできる地形で木曽川や川上川が流れることによって何段にも平坦な地形ができました。
上の写真を見ると奥に見えるのが木曽川でその向こうの山は長野県山口村です。
河岸段丘でだんだんこちらに向かって標高が高くなってきているのが分かります。そして撮影している場所とそのちょっと向こうでは高さが大きく違います。これが阿寺断層です。
何回かの阿寺断層の活動もあり今の地形になりました。そのため古い段丘は何度も断層の影響を受けているため地層のずれが大きく、今の木曽川に近い、比較的新しくできた地層は断層活動を数回しか受けていないので断層によっての変位が少ないそうです。
この地図を見るとさらによく分かると思います。木曽川による侵食と堆積の繰り返しで平らな部分と崖が交互に繰り返される河岸段丘を形成しています。そして段丘の高いほう(古いほう)から松源寺面・高部面・坂下面・西方寺面に区分されます。これらの段丘崖に交差するようにして延びる崖が阿寺断層が崖です。(地図では黄色になっているあたりです。なおこの地図は大体の位置です。本来の位置とは多少違っているかもしれません)
▲中ノ垣戸(坂下面)にある断層崖
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▲断層崖の上にある看板
断層に沿って歩いてみるとこのなうな急傾斜地崩壊危険区域の看板が多かった。左の写真はその看板が立っていたところの様子
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▲断層崖の上から
段丘面 |
垂直変位 |
水平変位 |
現在の河床面 |
0m |
0m |
西方寺面 |
2〜4.1m |
- |
坂下新田面 |
4.8m |
- |
坂下面 |
9.6m |
37m |
高部面 |
25.5m |
75m以上 |
松源寺面 |
31.5m |
130m以上 |
▲阿寺断層による河岸段丘の変位
(木曽谷第4紀研究グループ,1964) |
この断層は地殻の歪みによるエネルギーを蓄積していき一気に放出するタイプで、活動周期は2000+−500年程度のようです。最後の地震は大正の地震(1586年)だそうです。
それにしても普段住んでいる地面を100m以上も動かしてしまった阿寺断層について考えてみると身近なだけに自然のすごさを感じました。
参考資料・リンク
■恵那郡坂下町 (Gifu University CRDC 図鑑) 岐阜県の地学
■阿寺断層系の活動の歴史
■地震調査研究推進本部
■恵那郡坂下町−CRDC/Gifu/u MMDB
■坂下小史−坂下町発行
写真撮影:1999年8月10日
撮影:吉本龍司/撮影協力:吉本直樹
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