★濃いバックに描く
●白と黒を使いこなす
ここで、今までとは少しちがう描き方をやってみましょう。
この描き方を覚えると、いわゆるカスタムブラシ的な柔らかいタッチの絵になります。
ここではホワイトとブラックをふんだんに使ってみます。
●なぜか白黒は難しい。
少し実験です。興味のある方はご自身でも体験してみると納得しやすいでしょう。
※ここで使う黒は アドミラ スーパーブラック です。他の塗料だと同じ結果になるとは限りません。
●実験@
↓まず、黒く塗った板に白で吹きつけます。そこに同じ黒で玉を描いてみます。
なぜかこのようにフシギな茶色っぽい色になってしまいます。
→
↓次は白い板に黒で吹きつけ、白で玉を描いて見ます。
こちらもこの結果です。白が青く濁った色になってしまいました。
→
こうなると、白に塗った上からは黒は使えない、また、逆に黒く塗った上からも白は使えない、という事態になってしまいます。
ならばと、下は黒の板に白のみで描いてみました。↓
これも、修正の必要がある場合、黒を使うとこのように茶色っぽくなってしまいます。
修正後→
同様に、黒のみで描いてみます。↓
こちらも修正に白を使うとこのようにニゴリます。
修正後→
こういう実験をすると、黒というのは実にやっかいな特別な色ということが納得できると思います。
ここまで「黒」を使わずDブラックを使用してきたのは、そういったことが理由です。
白と黒のみで描く場合、上記のような現象をどうやって回避するかという問題が生じるわけです。
回避の方法としては、
@マスキングなどをして白を吹き付けないように描く。(例、★宇宙を描く、ハイライトに消しゴムなどを使う。)
A黒を使わず、2色までの色のみで描く。(例、★単色の人物画)
B黒、または白のみで描き上げる。
Cカラーで描く。
Dパープルを使う
Eわざと全てをニゴらせて描く。
などが考えられます。
●実験A
実際にやってみることにします。
@とAはここまででやってきた方法です。
Aのように、2色までの混色なら白を使っても問題ないわけです。↓
両端は濁ってますが(3色混合)、真ん中の二つは問題なし。
Bは★とにかく描いてみようでやった、墨汁でのイラストのように黒のみで仕上げる。
または同様に、白のみで仕上げまで描いてしまう。
修正すれば悲しいことに、そこだけ目立ちます。
では、Cはどういうことかというと、
↑同じように黒の板に白で描いておき、上からオレンジをオーバーブラッシングした結果です。
不自然なニゴリはこれで消すことができます。
この方法は、このあとの★カラーの風景画でくわしく解説します。
Dの例はこれです。↓
この例では、黒にパープルを混ぜています。こうすると実験@のような茶色っぽい色にならず、青みがかった黒になってくれます。
このように白を自由に入れても不自然さはありません。一番上のポートレートも、この方法で描いております。
そして、Eの方法で描いたのがこれです。↓
複雑な色合いが出て、ソフトな仕上がりになります。
この方法だと、青っぽい色ばかりではなく、さまざまな色合いで描くことができます。
次では、DとEの描き方で実際にやってみましょう。