昨年の生育調査の際に友釣りで捕獲した鮎を岐阜県河川環境研究所にて調べて頂いた結果が、

2月9日に発表されましたので報告いたします。

調べて頂いた内容は、5月15日に付知川の島田橋で友釣りで捕獲した鮎の海産系と湖産系の割合です。

5月15日までに放流した種苗〔当組合の稚鮎放流種苗は全て岐阜県魚苗センターから購入〕の内訳は、

海産系人工種苗2,400s・12g/1尾〔4/5〜4/8,600s×4日〕

湖産系人工種苗3,000s・12g/1尾〔4/18、4/20〜4/22,600s×4日、5/11 600s(20g/1尾)

 

この発表資料のB漁協が当組合の事です。

識別不能の5個体を除いて、80%が海産系・8%が湖産系という結果です。

組合は、解禁時に掛かる一番アユは海産系だと推測していました。

それは、放流時期と放流サイズ、生育調査の日までの日数から推測すれば簡単ですが、

「湖産の血を引き継ぐ湖産系は良く育つ」生育調査の鮎を見た方々の「湖産系だ」

との意見を頂いていましたので、今回の結果は組合も驚く数字でした。

最初に海産系を放流する事が大きく影響していると思われますが、

低水温でも海産系が掛かるという事実は、今までの認識を改めざるを得ません。

ただし、一回の検査結果化が全てではありませんので、今年も検査をお願いしていきます。

 

※ ご意見等ございましたら、メールにてお願いします。

 

 

 

判別技術を用いたアユ放流種苗の評価  岐阜県河川環境研究所 資源増殖部   

 

【背景・目的】

岐阜県には、アユを漁業権魚種とする31の河川漁業協同組合があり、アユ資源の持続的利

用のため、これらの組合は年間約125 tのアユ種苗を放流している。

流されるアユ種苗は大きく分けて琵琶湖産種苗と人工産種苗に分けられ、

さらに人工産種苗は海産系と湖産系、さらにこれらの交雑系とに分けられる。

各漁協では、種々の種苗の中から漁場の特性に合わせて、放流種苗を選択し、購入して放流している。

県内の河川では、複数の種苗が放流されていたり、単一種の放流であっても天然遡上があったりする等、

単純に漁獲量だけでは放流効果を判定できないケースが多い。そのため、種苗の放流効果を評価するには、

漁獲したアユがどの種苗由来であるのか、個体レベルで識別する必要がある。

そこで本研究では、側線上方横列鱗数等の外部形態の違いによる個体識別と

マイクロサテライトDNAマーカー分析による遺伝的な差異による個体識別の二通りの手法で、放流種苗の評価を試みた。

 

方 法】

A漁協については、側線上方横列鱗数により個体識別を行った。

当該漁協の漁場には天然遡上があるため、参照集団は放流種苗2種(琵琶湖産種苗、海産系人工種苗)、

天然遡上魚の計3種である。琵琶湖産種苗の放流量と海産系人工種苗の放流比はほぼ2:1である。

琵琶湖産種苗の側線上方横列鱗数は17〜24枚、海産系人工種苗は13〜18枚、天然遡上魚は18〜23枚であった。

これに下顎側線孔の乱れや下顎の奇形の有無等の情報により補足することでA漁協内で採捕された漁獲魚の判別を行い、

種苗の評価を行った。

B漁協については、6種のマイクロサテライトDNAマーカー(Pal5、Pal6、Pal42、Pal191、Pal194、Pal199)

により分析を行った。当該漁場には天然遡上はないため、湖産系人工種苗と海産系人工種苗の2種を参照集団とした。

海産人工種苗と湖産系人工種苗の放流比は1:1.25これの情報により当該漁場における種苗の評価を行った。

 

【結果・考察】

A漁協で採捕されたアユについて側線上方横列鱗数等の外部形態で判別を行った結果、

30尾中16尾が海産系人工種苗であり、海産系人工種苗の方が琵琶湖産種苗に比べ放流効果が高いと考えられた。

B漁協におけるマイクロサテライトDNAマーカーの分析結果による判別率は約92%であった。

この技術を用いてB漁協で採捕された漁獲魚について判別を行った結果、

46個体中37個体が海産系人工種苗、4個体が湖産系人工種苗、5個体が識別不能であった。

そのため、B漁協においては、海産系人工種苗の方が琵琶湖産系人工種苗よりも放流効果が高いと考えられた。