総合格闘技
 21世紀に入り、空前の格闘技ブームの中、全体的に明らかに流れが大きくなってきました。その代表として、PRIDEを筆頭としたルールの枠を取り払った総合格闘技が、信じられないような規模・数で大会をおこなっています。年に何回も大きな会場を満員にし、実力と活躍次第でよい条件を与えられたスター選手が生まれています。
 また、何の取り決めも作らず格闘すれば、やはり総合格闘技に近い形となり、混沌とした現代社会において総合格闘技が真の格闘技としての評価を受けていると思われてなりません。

空手
 一方、世界に広く普及した空手は、ざっと挙げるだけで伝統空手・フルコンタクトカラテ・グローブ空手・総合系空手などのジャンルに分かれて、競技化が進んでいます。さらに、その中で独自の技術を生かした様々な団体・流派が各々大会を開催し、年間何試合あるかも判らない程の数があります。そして、その大部分が団体・個人を問わず自ら信じた「道」をひたむきに修行・修練しています。
 しかしながら、競技は別として、はるか古より実戦格闘の中で生まれた技術の集大成である空手の深層にあるのは、「何でもあり(バーリ・トゥード)」ではないでしょうか。空手は、今まさに原点回帰をはかる必要性を感じております。

TRIAL
 そこで、空手の選手は独自の技術を生かし、総合・組み技の選手は「なんでもあり」の技術を生かし、交流する場「TRIAL」を設けました。
 ルールは、実戦・競技どちらにも向いている空手の門戸を広げるため制約を少なくしながらも、各流派の個性的な技術も生かせるように幾通りものタイプを設けてあります。選手双方の納得のいくルールで、存分に実力を発揮してもらいたいと考えます。
 自らの武道の実戦性・競技性を実験し、発展させることの出来る場。向上心をもつ者同士が真剣勝負にこだわり、無限の可能性を秘めた格闘空間。それがTRIALです。
 「TRIAL」とは、試み・試行錯誤・試練の意味です。年間、何回かその時々に合ったテーマのもと、開催していきたいと考えています。

空手の逆襲
 また今回、サブタイトルが「空手の逆襲」となっています。古い表現になりますが、アルティメットの開催以来、空手はその競技としての価値観を大きく破壊されてしまいました。逆襲とは総合格闘技に対するものではなく、空手自らに向けた勇気を示し、あえてこの表現を使うことにしました。
 その中で多くの格闘技同士が交流を持ち、積極的な戦いを通して総合格闘技と空手道が和合・調和する中で、真の強さを求めて頂けたらと考えます。同時に、普段懸命に修練している武道家・格闘技者に自由な大会を開催することで、多くの選手に輝ける場を提供できることを望んでおります